紫陽花の坂道を抜け、謙信平の茶店で一服!

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

関東で紫陽花といえば、鎌倉。紫陽花寺とよばれる明月院を始め、そこここのお寺で、幾種もの紫陽花が咲き乱れます。
この本のように ↓ 、鎌倉の紫陽花に限定した本があるなんて、人気のほどがうかがえますね。

今回、鎌倉以外に、「どこか紫陽花の素敵なところは無いかなぁ」と思って、行ってみたのがこちら。

栃木県の太平山自然公園の中の「あじさい坂」です。
太平山神社の表参道である1,000段の石段の両側が、紫陽花の園となっているのです。

最寄のバス停(栃木駅から関東バス「国学院前行き」の 終点)でバスを降り、坂道を少し上ると、長い長い石段が始まります。
その石段は、山の緑に囲まれるようにあり、この季節には、一歩上るたびに次々と、各種、各色の紫陽花が現れるのです。

あじさい坂を少しそれると、かの上杉謙信が、この地で関東平野を見渡し、その広さに目を見張ったという「謙信平」があります。「謙信平」は、確かに見晴の良いところで、向こうを見渡すように、茶店のテーブルが並んでいます。

何軒か並ぶ茶店のひとつで、謙信平名物の「太平団子」をいただくことにしました。
このボリュームで、緑茶付きで、なんと300円です。
お団子は、普通の白いのと、緑の草餅風のものと2種類入っています。
餡子かみたらしかを選べます。

紫陽花を楽しみ、お団子をいただいたら、次は、山登りがてら、神社仏閣めぐりです。
パワースポットであり、デパートの神様とも呼ばれる太平山神社から始まり、その奥の院、富士浅間神社、晃石神社、清水寺、大中寺などを4時間かけて歩きます。

【 ↑ 太平山神社(6月なので茅の輪もありました)】

【 ↓ 晃石神社(手前にあるのは鏡石)】

途中、「桜峠」という場所を通ります。
樹齢数百年と思われる山桜の大木が、分かれ道に立っています。
長い間、この桜は、旅人の目印であり続けたことでしょう。
なぜならここは、古道である表東山道と裏東山道が交差する峠だからです。

この峠は、とても展望が開けていて、下野の国(栃木県)を見下ろすように、ベンチが置かれています。

茶を嗜む者としては、ここで茶籠を開き、数百年前の旅人に思いを馳せながら茶を点てるのが、あるべき姿かもしれません。
でも、まだまだ駆け出しの私は、トレッキングの荷物+茶籠を背負うほど、心身共にゆとりがなく、自分の至らなさを痛感するばかり。

道々、神社の境内や山道で、紫陽花以外にも、半夏生、虎の尾、升麻、九蓋草など、たくさんの花を見かけました。
自然を大切に、季節を愛でながら、お稽古に励んでいきたいと思う、初夏の一日でありました。

東南アジアの織物や工芸品を使った