ポルトガルと肥後熊本を結ぶ銘菓を、東京でいただきます!

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

「ポルトガル、タイ、日本をつなぐお菓子」というお題で、ずいぶん前に、タイで『フォイトーン』と呼ばれている『鶏卵素麺』と、『ガラメー』と呼ばれている『キャラメル』をご紹介しました。

今回ご紹介するのは、ポルトガルと肥後熊本を結ぶお菓子です。

昭和24年創業の熊本の和菓子屋『お菓子の香梅』には、『加勢以多』という、ポルトガル由来の名を冠したお菓子があるそうです。

香梅のHPには、次のようにあります。
「加勢以多(かせいた)」という不思議な名前は、ポルトガル語の「Caixa da Marmelada(カイシャ・ダ・マルメラーダ)=マルメロジャムの箱」が由来といわれています。江戸時代には幕府への献上品ともなった細川家秘伝の伝統銘菓を復元した、とっておきのお菓子です】

新緑が眩しい春の休日。
私は、タイ時代の友人と、東京都文京区の神田川沿いにある肥後細川庭園に散策に行き、松聲閣(ショウセイカク)という建物に立ち寄りました。

庭を見渡す休憩室『椿』で頼んだ抹茶セットについていたお菓子が、この『加勢以多』です。

肥後細川庭園のある場所は、幕末、肥後熊本54万石の藩主細川越中守の下屋敷、抱屋敷だったそうです。
一角に建つ『松聲閣』は、細川家の学問所として使用された後、細川家の住まいとしても使用されたというもの。
平成28年にリニューアルオープンし、現在は文京区の施設として集会利用もできるようになっています。

この辺りは、ホテル椿山荘東京や、関口芭蕉庵や、永青文庫や、野間記念館などがあり、静かな休日を過ごすにはお勧めのエリアです。

和敬塾という学生寮には、かつて村上春樹さんも入寮していた時期があります。神田川の向こう岸は新宿区早稲田で、夏目漱石ゆかりの場所がたくさんあります。


↑芭蕉庵の句碑  ↓椿山荘の御神木

都心とは思えないほど静かで緑豊かな川沿いを歩いていると、松尾芭蕉や、夏目漱石や、村上春樹等々、偉大な文学者達の幻とすれ違うかもしれません。

↑こちらは、村上春樹さんの「蛍・納屋を焼く・その他の短編」(新潮文庫)です。
「ノルウェイの森」の原型と言われる「蛍」という短編に、和敬塾や椿山荘の蛍が描かれています。

東南アジアの織物や工芸品を使った