2月、冬の寒さと美しさを惜しみつつ、春に思いを馳せる!

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

2月といえば、『節分』ですね。節分は、季節が移り変わる時のこと。

夏・秋・冬を迎える時のことは言わず、特に、2月の立春(暦の上で春が始まる日。2月4日頃)の前日のことを行事として節分というようになったのは、江戸時代以降のようです。

「明日が立春」というこの日は、新しい春を迎えるための大晦日。節分の日に、寒さはピークを越えて、少しずつ春に向かって進んでいくことになります。

「鬼は外、福は内」と掛け声をかけながら豆をまき、鬼(=邪気)を追い払い、福を迎え入れることは今でも一般的ですが、私の母が子供の頃は、更に、柊(ヒイラギ)の枝と鰯(イワシ)を玄関口に飾る習慣があったそうです。

柊の葉のギザギザと鰯の匂いに、鬼が退散するのだそうですが、それで逃げてくれる鬼ならば、案外カワイイ鬼のような気がします。

豆まきが終わると、年齢の数と、新年を迎えるので+1歳分の豆を食べる時間ですね。

でも、年を取ってくると、年の数だけ豆を食べるのは、バースディケーキに年の数だけキャンドルを並べるのと同じくらい積極的には行いたくない行為で……。

そこで、、、かどうかはわかりませんが、、、節分にちなんだ和菓子が「大活躍」となるわけです。

s-福ハ内(鶴屋吉信)

こちらは、鶴屋吉信さんの『福ハ内』です。

 

また、節分が過ぎ、立春を迎えると、春告鳥とも呼ばれる鶯が、ホーホケキョとさえずり始めます。というわけで、餡を求肥や餅皮で包んで両端をつまみ鶯の形にし、青大豆からできた黄な粉をふりかけた「うぐいす餅」も、早春の代表的なお菓子というわけです。

s-うぐいす餅_青野_201502_01

こちらは、赤坂・青野さんのうぐいす餅。森の中でうずくまるウグイスのように見えるのは、私だけでしょうか?

他にも、雪や梅、水仙などをかたどった干菓子や主菓子がいろいろ出ていますね。

s-水仙_鶴屋吉信_201502

こちらは、鶴屋吉信さんの『水仙』。まるで、水仙のお花畑!

下のお干菓子は、梅が鶴屋吉信さん、ちょっと早めのつくしが赤坂の塩野さんです。

s-梅(鶴屋吉信)_つくし(塩野)_2015

桜の花が咲く前に、この時期ならではの美しさと美味しさを、目に、舌に、とどめておきたいものです。

あたたかいお抹茶とともに。

東南アジアの織物や工芸品を使った