季節外れの忠臣蔵~赤穂浪士引き揚げルート~

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

12月14日は、赤穂浪士討ち入りの日。私が子供の頃は、この時期になると、豪華キャストによるスペシャルドラマが作られて、事前の広告も盛大で、『忠臣蔵』は一般常識の一つだったように思いますが、残念ながら、最近は知らない方も多いかもしれません。

高校時代の友人と、長年にわたり「江戸旅」を続けているのですが、討ち入り後の引き揚げルートを歩くのは、未達成のタスクでした。でも、冬に歩くのは寒いし、師走で忙しいし、、、ということで、気候の良い5月に決行することに。

蔵前のオシャレカフェでモーニングをいただいたりしているうちに、どんどん時間が過ぎてしまい、午前11時、ようやく本所松坂町吉良邸跡に到着。
塀に囲まれた公園内には、お稲荷さんや井戸があり、塀に沿って説明がいろいろ書かれています。
私が気になったのは、吉良公が使用されていた茶道具のお写真。

吉良邸のすぐそばにある菓子店は、明治2年創業の『両国 大川屋』。吉良にまつわる菓子の他に、鬼平犯科帳にちなんだ菓子も。

この日は5月でしたが、初夏の陽気で、、、(2023年を振り返ると、年間を通して高温が続きましたね)。
友人たちが酸味が効いて涼しげな『安寿餅』を選ぶ中、私は、若干暑苦しい『鬼平団子』と『隅田川もなか(ひなちどり)』を選びました。
なぜって、引き揚げルートは隅田川沿いですし、鬼平を長年演じた中村吉右衛門さんは、新春時代劇で大石内蔵助も演じられていた記憶が強くあり、「この旅にふさわしい菓子である!」と思って選んだ次第。
でも、たぶん、このお店の名物は『吉良まんじゅう』なのではないかと推察します。

萬年橋を過ぎ、(江戸時代は少し離れた場所にあったのが現在の場所に移された)永代橋を渡り、

橋の防護柵のデザイン、なんと「花火」!さすが隅田川!

こちらは、なんと「軍配」!

本当は徒歩で行きたかったけれども時間がなくなり、地下鉄で泉岳寺駅に向かい、ようやく赤穂浅野家の菩提寺である『泉岳寺』に到着。
赤穂義士の墓地をお参りし、記念館を拝見し、この日の江戸旅は終了となりました。

義士たちの胸の内に思いを巡らせながら、お抹茶を一服いただきたいと思います。

東南アジアの織物や工芸品を使った