9月。秋の始まりは、菊のお菓子とともに。
縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。
準備期間が短く、このページで告知もしていなかったのですが、去る8月9日(日)に、目黒のコーヒーショップ『ポット』さんにて、展示販売会を行いました。
前回に引き続き、アフリカ雑貨を扱っている『Monsoon Japan』さんとの共同開催でした。
↑縁結び工房のオリジナル帛紗です。
↓着物で出かけた時、思いのほか荷物が増えることってありませんか?
右上に掛かっているのは、タイ、ラオス、インド、マレーシアのコットンで作ったA4トートバッグです。着物にぴったりの柄たちを集めました。こちらも、縁結び工房のオリジナル商品です。
暑さが激しく厳しい中、たくさんのお客様に足をお運びいただき、皆さまと楽しい一時を過ごすことができましたこと、幸甚に存じます。皆さまに、商品を実際に手に取ってご覧いただくことの大切さを改めて感じました。
縁結び工房は『手仕事』にこだわって、手染め・手織り・手縫いの帛紗を中心に商品をお届けしていますが、今後も、アフリカの手仕事を紹介している『Monsoon Japan』さんと一緒にイベントを実施する予定です。
前回お越しいただけなかった方には、是非、次回、お越しいただければ幸いです。
さてさて、前置きが長くなりましたが、今年の8月は、下旬に入ると残暑を味わう間もなく、例年より一足早い秋の雰囲気となってしまいましたね。果たして、9月はどんな気候になるのでしょうか。
9月の行事といえば、重陽の節句に、お月見。
中国では、奇数は縁起の良い「陽」とされ、その中でも一番大きい『9』が重なる9月9日は、大変縁起の良い日と考えられているそうです。
私が長く住んでいたタイでも、『9』は縁起の良い数字として知られていました。
宝くじを9のつく番号で買ったり、車のナンバーを9999にしたがったり。。。
タイ語で9はガウと読むのですが、同じガウという読み方で『進む』という意味の単語があるため、9は縁起が良いとされています。でも、中国の影響を多く受けているタイですから、もともとは中国の陽の考え方から来たのかも、なんて深読みしてしまう私です。
重陽の節句は、菊の節句とも言われていますね。
古来からの「菊は長寿をもたらす」との言い伝えから、この日は、菊の花びらをお酒に浮かべた菊酒を飲み、菊ご飯をいただき、長寿を願います。
平安貴族の間では、『菊の着綿(きせわた)』という行事が盛んに行われていたそうです。菊の花に綿を被せ、9月9日の朝に、菊の香りと朝露を含んだ綿を菊から外し、その綿で顔や体を拭ったというもの。菊の薬効で美容と健康に良いとされていたようですが、これぞ天然の美容液ですね。
江戸時代には、重陽の節句に摘んだ菊花を干して枕にすると良いと言われていたそうです。ほのかな菊の香が安眠に導いてくれるようです。
この時期、お干菓子も生菓子も、菊を模ったものがたくさん出てきますね。
↓こちらは、鶴屋吉信さんの『菊の雅(きくのが)』。こなしと白餡が、絶妙のコンビネーションを作り出しています。
↑古帛紗は、もちろん『縁結び工房』のオリジナルです。
菊酒で一献傾けるか、上品な菊の和菓子でお抹茶をいただくか、どちらも捨て難い重陽の節句でございます。