徳島銘菓とお茶につながるエトセトラ①
縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。
徳島県に行ってきました。徳島といえば、有名なのは8月の阿波踊りですが、行ったのは5月。
阿波踊り以外といえば、鳴門海峡の渦潮が定番ですよね。渦潮は春が旬ということで、運よくグルグルの渦巻きを迫力満点の高速観潮船から楽しむことができました。
こちらの写真は、徳島藩(阿波国と淡路国の2国を領有)藩主の蜂須賀候が観潮したというお茶園展望台。見晴らしの良い丘の上から眺める渦潮の美しさは、今も昔も変わらないのでしょうね。
ところで、蜂須賀公といえば、その居城は徳島城。城跡は現在、国指定の史跡・名勝となっています。
巨大な徳島城跡の一角にある「旧徳島城表御殿庭園」は、江戸時代初期の武将であり茶人・造園家である上田宗箇によって造られました。枯山水と築山泉水庭の2つの庭から構成されていて、巨岩がバンバン配置されています。しかも、長さが10メートル以上もある青石の橋や、花崗岩が連なる橋を、自分の足で渡ることができるのです! 立ち入り禁止で遠くから眺めるだけではないのです!!!
殿様気分で庭を歩いていると、木々の向こうに何かがうごめく気配を感じました。振り返り目を凝らすと、庭の裏手にある城山にアオサギの群れが!しかも近い!かなりワイルドなお庭であります。
ちなみに、この庭をデザインした上田宗箇は、利休・古田織部から茶を学び、上田宗箇流の祖となりました。大坂夏の陣で敵を待っている間に削ったと言われる「敵がくれ」という茶杓が有名です。
どんな時も慌てず焦らず茶杓を削れるようなマインド、すごいですよね。とても憧れます。
お庭見学の後は、徳島駅を挟んでお城とは反対側にある眉山へと向かいました。眉山は、どの角度から見ても眉に見えるという徳島市のシンボル。喉が渇いたので、麓にある「和田の屋本店」で一休みしました。
こちらの名物『滝の焼餅』は、蜂須賀家2代家政候が徳島城を築城した際に献上されたと言われている銘菓です。
そして、和田の屋本店は、さだまさしさん原作の小説「眉山」にも登場しているそうです。
輝くような新緑に包まれながら、焼きたての『滝の焼餅』と徳島名産のスダチを使ったスダチジュースを美味しくいただきました。ご馳走様でした。
徳島の銘菓を巡る旅は、まだまだ続きます。