タイ王室と、絹絣「マット・ミー」との深い絆とは?

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

2016年10月13日に、タイのプミポン・アドゥンヤデート国王陛下が88歳で崩御されました。日本のニュースでも再三取り上げられたので、ご存知の方が多いことと思います。
プミポン国王の在位は70年以上にも及び、タイの安定と発展の象徴のような存在でした。多くの人々に尊敬され、深く愛されていらっしゃったので、タイ国民の悲しみが深いのも当然ですね。

プミポン国王と聞いて、私が一番に思い出すのは、在位50周年記念のジャズコンサートです。
もう20年も前のことですが、ジャズを愛する王様の長い在位を祝い、バンコクのあちこちにステージが設けられました。
チケットを買えばどの会場にも自由に出入りできたので、友人と二人で、あっちのステージこっちのステージと、聞いて回りました。日本からは、東京スカパラダイスオーケストラが来ていて、夏の夜に、ノリノリに盛り上がったことを切なく思い出します。

そのプミポン国王の奥様が、シリキット王妃です。
タイシルクは、Queen’s Silkとも呼ばれています。それは、タイシルクとシリキット王妃との間に、深い関わりがあるからです。

1960年代、シリキット王妃は、ピエール・バルマンなどの世界的なデザイナーに、タイシルクを使ったドレスをオーダーし、外交の際に着用していました。
王妃は、タイシルクを広めるためのファッション・アンバサダーとして活躍し、世界に向けてタイシルクを普及させると同時に、タイ国内でタイシルクを見直す機会をタイ国民にも与えたのです。

%e7%b8%81%e7%b5%90%e3%81%b3%e5%b7%a5%e6%88%bf%e3%81%ae%e7%b5%b9%e7%b5%a3

( ↑ タイの黄金の繭玉と、マットミーと呼ばれる絹絣から仕立てた縁結び工房の帛紗たちです)

縁結び工房のメイン商品である『TAKUSAの帛紗』の多くは、タイシルクから仕立てています。タイシルクと言っても、工場で大量生産される画一的なものとは違う、手染めの絣糸を手織りで織りあげた『マット・ミー』という絹絣です。

マット・ミーは、タイでは、主に東北地方で織られています。
1970年代になると、産業の発展によって、世界中で安価な布が大量に生産されるようになり、手間のかかる『マット・ミー』は廃れかけていました。

シリキット王妃は、東北地方の村々を訪ねて、マット・ミーを実際に御手に取られると、その品質の高さと美しさに感動されたそうです。そこで、村人たちに相応の値で買い取ることを約束し、高品質のマット・ミーを織り続けることを奨励しました。

そして、『Support Foundation(支援基金)』という、マット・ミー・シルクを中心とした手工芸品に携わる技術者を養成し支援する機関を立ち上げました。
マット・ミーは、高い技術が必要な高品質で美しい織物ですが、都会の人達には、『田舎の織物』というネガティブなイメージがありました。しかし、シリキット王妃のおかげで、タイ全土でその価値が認められるようになったのです。

現在は、日本の着物と同様に、価値は認められているものの、身につける人々の数が減り続けているのが実情です。

シリキット王妃によって復活したマット・ミー・シルクを再び眠らせてしまうことが無いよう、縁結び工房も、微力ながら、その美しさを日本の皆様に伝えていけたら、と頑張っています。

茶杓袋と茶杓

( ↑ 縁結び工房の茶道小物ブランドISARAの茶杓と茶杓袋です)

◎内容の一部は、以下のサイトを参考にしています。

在シンガポール・タイ大使館(Royal Thai Embassy):
http://www.thaiembassy.sg/friends-of-thailand/p/celebrations-of-her-majesty-queen-sirikits-77th-birthday-on-12-august-2009

The New York Times (2012. 9. 28の記事)
http://www.nytimes.com/2012/09/29/fashion/29iht-fthai29.html?_r=0

東南アジアの織物や工芸品を使った