《旅する茶籠~温泉編》熱海・小田原で茶人の足跡を辿りつつ

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

年末年始を温泉でのんびり過ごす方、多いですよね。そんな時は、是非、茶籠を携えてお出かけください!
(縁結び工房の茶籠はこちらのショップからどうぞ♬)
今回は、東京から簡単に行ける熱海・小田原でお茶を楽しむ旅のご紹介です。

熱海の「起雲閣」は、大正8年に、大正・昭和の政治家・実業家で、海運王とも呼ばれた内田信也氏の別荘として建設されました。

その後、鉄道王と呼ばれた東武電鉄の根津嘉一郎氏の別荘となります。根津さんといえば、東京は青山にある根津美術館で知られていますね。茶人としては「青山(せいざん)」の号を持っており、たくさんの茶道具も収集していました。そのコレクションが根津美術館の基礎となっています。
ここ起雲閣では、茶人としての根津さんの足跡を見ることはできませんが、ゴージャスな洋館やローマ風浴室などから、根津さんの違った一面を垣間見ることができます。
その後、起雲閣は根津家から離れ、日本を代表する文豪たちに愛される宿へと生まれ変わり、現在は、熱海市が所有する観光地となっています。

次なる熱海の観光地といえば、パワースポットとして有名な御神木・大楠のある「来宮神社」。

お参りを済ませたら、境内の茶寮報鼓で来福スウィーツ「麦こがし饅頭」を購入し、宿泊先に向かいます。

温泉についたら、一風呂浴びた後で、お抹茶の時間です。
海に沈む夕日を見ながら来福スウィーツを食べ、お抹茶をいただく。なんだか、とっても有り難い気持ちになります。
1年間、良いこともあれば悪いこともある。そんな風に、日々は続いていく。。。なんて、感傷に浸ったりして。

翌日は、小田原に向かい、「小田原三茶人(松永耳庵、野崎幻庵、益田鈍翁)」の足跡をたどります。
松永記念館」には、明治から昭和にかけての実業家で、「電力王」と呼ばれ、茶人でもあった松永耳庵の収集品が展示されています。
また、茶室も備わっている耳庵の自宅「老欅荘」を見学することができます。
敷地内には、野崎幻庵の茶室「葉雨庵」が移築されていたり、益田鈍翁が茶を楽しんだ掃雲台から石造物が移されたりしていて、多くの数寄者が小田原に集い、茶を楽しんでいた時代を感じることができます。

現代に目を向けると、令和の時代は、気候との闘いであることは間違いありません。
お茶を楽しむことができるのは、平和であり、自然環境が豊かであることが必要条件です。
新しい年も、環境に目を向けながら、そして、できることは行動に移しながら、茶道を通して世界をつないでいきたいと思います。

東南アジアの織物や工芸品を使った