8月の和菓子とともに、暑中お見舞い申し上げます!

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

「暑中」は、読んで字のごとく、夏の暑い時期のこと。
夏の土用の期間である、7月20日から8月7日までをいいます。
その後は、残暑となるわけですが、最近の夏の暑さを思うと、8月下旬くらいまで続けて「暑中」と言いたくなってしまいます。

そんな暑い夏は、暑さを忘れてしまうほど、心がパッと華やぐお菓子はいかがでしょうか。

こちらは、神楽坂『梅花亭』さんの『西瓜割り』と『金魚鉢』です。
「可愛すぎるお菓子」とは、まさにこのこと!
お客様やお友達にお出ししたときの、皆さんのパッと華やぐ笑顔が見られること間違いなしです!
西瓜割り_梅花亭金魚鉢_梅花亭1金魚鉢_梅花亭2

『西瓜割り』は練りきり、『金魚鉢』は錦玉製です。
西瓜割(梅花亭)と抹茶ちなみに、お抹茶の下にあるのは、縁結び工房の帛紗です。金魚鉢(梅花亭)と抹茶

錦玉は、寒天に砂糖や飴を加えて煮詰め、冷やして固めた透明の涼味菓子です。
古くは、「錦玉」ではなく、「金玉」と書くことが多かったような。
「金玉」は、財宝とか珍しいものという意味があるので、寒天の向こうに透けて見える色とりどりのお菓子が、財宝のように輝いているということなのかもしれないですね。

そうそう、私にとっての夏の和菓子といえば、何と言っても『麩まんじゅう』です!
小麦粉を蒸して作った皮ではなく、生麩の皮で餡を包んだお饅頭。
グルテンから生まれる「モチモチ」っとした触感が、最大の魅力です。
冷蔵庫でキーンと冷やしていただく麩まんじゅうは、夏の必須アイテムです。

こちらも『梅花亭』さんのものです。写真上が味噌餡、左が粒餡、右がこし餡です。3種の味が楽しめます。
麩まんじゅう3種_梅花亭麩饅頭(梅花亭)と抹茶
話は変わりますが、私の大好きな時代小説に、高田郁さんの『みをつくし料理帖』というのがあります。
幼い時に水害で両親を亡くした「澪(みお)」という女の子が、江戸に来て、一流の料理人になるまでの波乱万丈の物語です。

このシリーズの中には、料理の魅力や、日本の四季の移ろいの美しさや儚さが詰まっています。

この第6巻「心星ひとつ」の第1話に、「青葉闇-しくじり生麩」というお話があります。
ここに、おいしい生麩を作り上げるまでの、料理人の並々ならぬ苦労が描かれています。

昔の人たちの凄まじい努力があって、今いる私たちは完成された美味なるものをいただくことができる。その努力に敬意を、その成果に感謝をこめて、本日もおいしくいただきます!

東南アジアの織物や工芸品を使った