10月。十三夜には美味しい和菓子を用意して、大切な人と月を愛でよう!
縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。
10月の行事といえば、いつの間にかハロウィンが定着してしまいましたが、日本の行事も、是非、思い出してください~!
今年、2015年の「十三夜」は、10月25日(日)です。
十三夜とは、「後(のち)の月見」といわれる、旧暦の9月13日のお月見のこと。1年のうちで、旧暦の8月15日の中秋の名月(=十五夜)の次に月が美しく見える夜といわれています。
十三夜を愛でることがとっても大切だということを、皆さんはご存知でしたか?
江戸時代の日本では、十五夜だけでなく、十三夜も祝う習慣がありました。
そして、どちらか一方だけを祝い、どちらか一方を祝わないと、「片月見」となり、縁起が悪いと忌まれていたのです。
以前にも紹介した『みをつくし料理帖』のシリーズ第3巻『想い雲』にもそのシーンが。
その日は、生憎お天気が今一つ。
夜になり、主人公の女料理人・澪が新しい料理を研究している間に、店主の種市と、澪の母親代わりのお芳が、店の縁側に床几を出し、雲間の月を待っていました。
「月は拗ねて顔を見せねぇし、片月見になっちまったよぅ」と愚痴る種市。
十五夜の頃から起き始めた不幸な出来事を振り返りながら、芳は言います。
「あれから、およそひと月。辛い思いもしましたが、もうじき、きっとお月さんも顔をだしてくれますやろ」
こんな描写からも、江戸時代に生きる人々の月に対する思いが垣間見えるような気がします。
現代に生きる私たちも、ハロウィンのかぼちゃのパイやプディングの前に、お月見団子で、日本の伝統行事を祝いませんか?
こちらは、私の手作り月見団子。
団子粉に水を加えてこね、耳たぶくらいのかたさになったら茹でるだけの超簡単お菓子です。
十五夜はお団子を十五個用意しますが、十三夜は十三個です。下段に9個、上段に4個並べます。
そして、十三夜には、「栗名月」という別名があります。この時期、栗がおいしくなるからでしょう。
とうわけで、栗のお菓子もいただきます。
↑こちらは、たねやさんの栗きんとんで『西木木』。
↓こちらは、仙太郎さんの『渋栗まんじゅう』です。
おまんじゅうは、ミャンマー漆の器に。帛紗は、縁結び工房のオリジナル。
十三夜を愛でながら、大切な人とともに、おいしい和菓子で秋の夜を楽しみましょう!