曇天続きの8月。それでも朝顔は咲く!

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

今年の梅雨は、快晴や、スコールや、なんやかや、よくわからないうちに始まり、よくわからないうちに終わりましたが、
梅雨明けが発表された後、そこからいつも通りの梅雨が始まったみたいに、ぐずぐずした天気が続いていますね。
この夏の日照時間は平年を下回っているそうで、夏野菜をはじめ、植物たちの生育にも影響があるかもしれず、心配です。

そんなドンヨリした空模様でも、朝顔は変わらず元気です!

真っ青な空にギラギラの太陽が照りつける、ある梅雨の暑い日、私は、花人・川瀬敏郎さんの「今様花伝書」をぱらぱらとめくっていました。


そこに朝顔のページがあり、「あっ!」と口を大きく開けてしまいました。

2年前の秋、枯れた朝顔の蔓から実の殻を集めて、引き出しに仕舞いっぱなしにしていたことを思い出したのです。
慌てて割れた殻から種を取り出し、川瀬さんの指南通りに種をまくと、魔法のようにすくすくと双葉が出てきました。

そして、その後もすくすくと教科書通りに育っていきました。

2年も存在を忘れていた種ですが、きちんと花開いてくれるのですね。
種の力強さに感動です。

この花が咲いた日、高校時代の仲間たちと、柴又の帝釈天にお参りに行きました。
駅前では、さくらが寅さんを見送っています。

矢切の渡しでのんびりと小舟の旅を楽しみ、参道の茶店で鰻や草団子を味わい、帝釈天でお参りをし、帝釈堂彫刻ギャラリーと璲渓園という庭園を鑑賞します。

そして、近くの山本亭に移動し、手入れの行き届いたお庭を眺めながら、ティータイムです。
お抹茶と練切りのセットを頼みましたが、練切りは朝顔でした。

夏らしくない2017年の8月ですが、朝顔が夏の風情を感じさせてくれています。

話は遠くそれますが、バルセロナで悲惨な事件が起こりました。
私の友人の一人が、スペイン人と結婚しバルセロナに住んでいます。
パリにもフランス人と結婚した友人がおり、時おりテロの恐怖に脅かされます。
2014年にシドニーでテロがあった時も、友人がシドニーにいました。
2016年にバングラデシュのダッカでレストラン襲撃人質テロ事件が起きた時もまた、友人がダッカで働いていました。

友人・知人がいる場所だけでなく、世界中でテロが起き、紛争が続いています。
日本は、戦後72年が経ちましたが、この平和をいつまで守っていけるのか、安心してはいられません。
気候変動の影響でしょうか、日本中に頻繁に起こる自然災害。
日本だけでなく、地球全体を取り巻く環境の悪化を考えると、人間同士争っている場合ではないはずですよね。

環境を守り、平和を守るために、種を蒔く!
そんな決意を新たにする8月でもあります。

東南アジアの織物や工芸品を使った