神社仏閣を巡り、歩き、登る秋(2)【旅する茶籠・大宰府~宇佐~湯布院 編】

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

前回のブログ「福岡・大分の旅」の続きです。

野点発祥の地で野点ができないまま、大宰府に向かいました。目的は2つ。1つは、もちろん太宰府天満宮をお参りすること。もう一つは、大徳寺納豆を使った和菓子「清香殿」が有名な「御菓子而 藤丸」さんにうかがうこと。

「清香殿」は、大徳寺で行われた利休さんの400年忌茶会の際に創られたというもので、過去に2度ほどいただいたことがありましたが、お店にうかがうのは初めて。そして、大宰府天満宮に詣でるのも初めて!ドキドキします。

大宰府天満宮を歩いて感じたのは、東京の亀戸天神や、湯島天神に似ている!ということ。こちらが本社なのですから、当たり前ですけど、でも、規模は大きいですし、御本殿の檜皮葺の年季の入り方は、想像以上に時代を感じるものでした。

ちなみに、現在の御本殿を造営したのは小早川隆景で、筥崎宮の楼閣を建てたのも小早川隆景。どちらも国指定の重要文化財です。

無事にお参りを終えると、次は「藤丸」さんへ。時間があまりないので焦り気味です。ですが、入口から素敵!

中は撮影禁止なので写真はありません。並んでいる商品の中から選ぶのではなく、今月のお菓子が書かれた色紙を見つつ、お店の方に相談しながら注文するスタイルでした。

お土産に差し上げたい方のお顔を思い浮かべながら、どういう風に買おうかを考えましたが、賞味期限の関係もあり思い通りにはいかず、取りあえず自分と同行者のための買い物をしました。棹物は、1本でなくても、必要な分だけ切って販売してくださるということで、ありがたくそうしていただきました。
包んでくださるのを待つ間、お茶とお菓子を出していただきましたが、旅の疲れが癒えるほど、美味しかったです。
出発前に友人から「大宰府と言えば梅が枝餅」と言われていて、自分もそのつもりだったのですが、こちらのお菓子の余韻で空腹感がなく、時間も無いこともあり、梅が枝餅は食べずに大宰府を後にしました。

何をそんなに慌てているかというと、夕方、小倉で食事の約束があったためです。大宰府から急いで博多に戻り、新幹線で小倉に向かい、なんとか約束には間に合いました。
ですが、悲しいかな、、、この日は朝から晩まで、東京から箱崎、大宰府、博多、小倉まで、1日中茶籠を携帯していましたが、結局野点できず!無念であります!

その翌日、福岡県の小倉から、車で大分県の宇佐市にある宇佐神宮へ移動。今日こそは!という思いで、茶籠も、藤丸さんの菓子も、すぐ取り出せるように準備万端で出発。

宇佐神宮も、立派です!朝早く着いたので、人も少なく、空気が澄み切っていて、清々しいことこの上ありません!
手水舎の水盤まで立派です!

国宝である本殿までの道のりも、見どころたくさん!いろいろな神社をや下宮をお参りしながら、上宮までぐんぐん登っていきます。足が不自由な方や、小さいお子さん連れ、ご高齢の方などは、モノレールが使えるので心配いりません。

登りきると、真っ青な空に、朱塗りの本殿が突如として現れます。感動!素敵な旅ができることへの感謝をお伝えします。

帰りは、菱形池の方を回っていきます。

菱形池の南東には、「御霊水」と呼ばれる霊泉がありました。汲むことも可能ですが、そのままは飲まないように注意書きがあったので持ち帰りませんでしたが、地元の方は、ボトルなどで運んで、煮沸して飲まれているのではないかと推察します。

宝物殿を拝見し、お土産屋などが並ぶ参道に戻ります。そこでようやく、お茶ができる場所を発見!

騒いでる割には手抜きの道具です。今回、お茶は缶のまま。お茶の手前の缶には茶巾を入れてきました。

こちらのお菓子が藤丸さんで切っていただいた棹物です。柿や栗、その他の実?も入っていましたが、はっきりはわかりませんでした。「実り」を大切にした、これまでに経験したことの無い菓子体験となりました。

この後、国東半東を回り、国宝の本堂のある富貴寺、重要文化財の熊野磨崖仏(これも登ります!)、「なぜここに、こんなにも素晴らしい仏像群が!?」と驚嘆せずにはいられない真木大堂などをお参りして、その夜の宿のある湯布院へ。

宿では、由布岳を拝みながら、テラスで一服。

こちらは、藤丸さんで求めたお干菓子。清香殿の銀杏型のものと、無花果。

茶籠を持って旅するって、どこでどんな風にお茶をいただけるかわからないので、大変ですけど、楽しいものです。
皆さまも、是非、茶籠を持って旅に出てください!こんな適当な道具でも、充分楽しめますよ。

東南アジアの織物や工芸品を使った