天の川は見えず、地上の川が氾濫する7月に願うこと

縁結び工房は、アジアと日本の伝統文化のご縁を結ぶ場所です。また、茶道からつながる世界をお届けします。

7月の別名は、文月が一般的ですが、七夕月、棚機月などの「七夕祭」にちなんだ名もあります。

以前、このブログでも書きましたが、中国から来た織姫と彦星の物語とは別に、七夕には、日本古来の伝承があります。
七夕と同じ読み方の『棚機』は禊の行事で、選ばれた乙女が清い水辺の小屋にこもって布を織り、その布を神様にお供えし、お祓いをするものだそうです。
この神事が7月7日の夕方に行われたことから、『七夕』と書いて『たなばた』というようになったといいます。

全ての工程が手仕事で、手機織りの絹織物で帛紗を仕立てている縁結び工房にとっては、大切にしたい行事の一つです。

七夕を前に、願いを書き記すという梶の葉を敷き、京都・老松さんの『星逢」という菓子をいただきました。

今なお世界中でコロナウイルス感染症の拡大が続く2020年7月。
天の川を見上げ、日々の暮らしに感謝し、人々の無事を願いたいところですが、今年は、九州を中心に記録的な豪雨となってしまいました。

急速なグローバリゼーションや、地球環境の変化など、地球規模の課題が山積しています。
日本では、この時期になると、毎年のように各地で山が崩れ、河川が氾濫し、甚大な被害が発生しています。

治水で思い出すのが、武田信玄と徳川家康です。
二人が偉大なのは、戦の策略にたけていただけではなく、領民からの信頼を得る政治を行っていたからなのでしょう。
「水を制するものは、国を制す」。暴れ川を抑えて、新田や町を開発したところに二人の共通点があります。

信玄は「信玄堤」と呼ばれる堤防築造と御勅使川治水を行い、家康は利根川の流れを変えました。

当時と同じやり方をする必要はもちろん無いですが、現代に適したやり方をどうにか考えて、誰もが安心して暮らせる環境を作ることが、国を維持する基本のように思います。

先ほどの菓子ですが、天の川を表したのでしょうけれども、宇宙から見た地球のように見えてしまいます。
美しい地球を、美しいまま、若い世代に伝えていけますように、七夕に願います。

東南アジアの織物や工芸品を使った